夜逃げ事案
こんな話題が飛び込んできました。
正規ディーラーです。
真偽は定かではありませんが、私も行ったことが有ります。この店。
友人の一人は此処の客でした。
車両購入の内金入れたままの客も居るのでしょうか。ローンの契約は解除できるでしょうけど。
そういえば。
すっかり忘れていましたが、実は私、バイク屋の倒産で一台分巻き上げられたことが有ります。
その時の思い出話を。何かの参考になるかな?と。
今手元に資料は無いのですが、かれこれ15年ほど前でしょうか。
白金にベスパなどイタリアンスクーターを扱う店が有りました。
今はピザ屋になっている場所です。
ここで、マラグーティ250の限定車を買おうと契約したのです。
ですが、直後に止む無い事情があり、キャンセルさせてもらったんですね。
こんなスクーターでした(笑)
お店の方は、残念ですが仕方ないですねと快諾頂き、
それでお付き合いは無くなりました。
但し購入の際、ジャックスかオリコでオートローンを組んでました。
「一回目は引き落とされますが、その後は大丈夫です。」ということで安心しました。
その後、そんなことは忘れて数年がたち・・・。
ある日、通帳の出納履歴を精査することが有りました。
そこで、クレジット会社からたまに送られてくる残債額と、毎月の引き落とし額が合わない事に気付きました。
クレジット会社に問い合わせると、キャンセルした筈のバイク費用が、ずっと引き落とされていた事が分かりました。
同じクレジット会社のオートローンで車も購入していた為、引き落としの明細項目が纏められていたので、気付かなかったのです。
いくら当時幾つかの債務を抱えるローンレンジャーwだったとはいえ、月額数万の引き落とし差額に気付かなかった私がアホなのですが。
直ぐクレジット会社に事情を話しました。
しかしながら、会社として車両の所有権は有しておらず、どうしようもないとのこと。
(弁護士に相談すればよかったのかもしれませんが今となっては)
店と交渉してくれとの回答だったので、行ってみると・・・。
潰れてました。
実は、私が契約解除して暫く経ったころ、倒産していたのです。
で、ここから回収の作業に移りました。
(内緒ですがカード会社の回収担当も手伝ってくれました。)
登記簿謄本は残っており、代表者の住所などはすぐ把握できました。
そこを訪ねて行くと、御家族が。
当初かなり警戒されました。私のほかにもプロの債権回収者が来ていたようです。
その筋じゃない旨説明し、勤め先の名刺を渡し、高齢の元社長に連絡をくれるよう伝えると、後日電話が有りました。
曰く、経理担当者がまるっと持ち逃げしたと。気付くと全てを失っていたと。
私のキャンセルの事も知っていたが、ローン解除などは全て担当者に任せていたので知らなかったと。
今は、娘夫婦の住まいに身を寄せていること。自分にはバイク修理しか出来ないので再就職しようとしていること。私の件は申し訳ないので自分の稼ぎで少しづつ返済させてほしいこと。
こんな話しを聞きました。
・・・お気の毒に。
そこで、私の元社長の二者間で改めて金銭消費貸借契約書を交わし、残債70万くらいでしたか、毎月幾らでもいいから払って貰う事にしました。
その後、滞ることもありましたが、暫くは入金が有りました。しかしながら、1年も経たず途絶えました。残債は60万弱でしたか。
連絡もしましたが、体調不良、病気、入院、家族の不幸、などを述べられ、
その都度延滞を認めていました。
そのうち元社長からの連絡が無くなり、こちらからの電話にも応答が無くなりました。
その後一度、元社長(娘夫婦?)の自宅を尋ねました。川崎の246沿いに立つ庭付きの戸建てです。
表札は変わっていません。
そして、お孫さんでしょうか、庭には小さなお子さんの遊具が置いてあり、洗濯物が干してました。
呼び鈴は鳴らさず帰りました。
それこそ、訴訟でも起こせば債権の主張は出来たでしょうが、強制執行による差し押さえなど、する気にもなれませんでした。
たかが60万。元社長の家族にまで影響が及ぶのは如何なものかと。
性善説かもしれませんが、当時その程度の金には困っていませんでしたので、勉強代として放棄することにしました。
もしかすると家族ぐるみの計画倒産だったかもしれません。支払い滞納理由も嘘だったかもしれません。
ですが、私が倒産前に気付いて処理していれば問題も起こらなかった訳ですしね。
私に契約上の直接的な非はありませんが、攻め込むのも申し訳なく思ったもので。
そんな訳で?
表題の店でお困りの方は、法務局に行けば謄本取れますので、戸籍と住民登録の転居転入届履歴を追って、頑張る方は頑張ってみてください。
法テラスなどで無料や安価な法律相談も行っていると思います。
しかし、ですよ・・・。
この件で思いましたが、高額のカスタムを施した大事な車両を、
キャッシュフローの状態も分からない不安定な個人事情主に無防備に預けるというのは、かなり性善説に立つ行為ですよね。
そのままバラしてコンテナに入れてアジア便。バイク屋の謄本と顧客から預った書類が有れば税関もスルーで完全犯罪?
待たされる客が気付いたころには本人は破産してトンずら。
無くは無い話しってことでしょうか。自分さえ儲かればよいと考える人間は居るものです。その店のバランスシートなんて誰にも分かりません。火だるまでも羽振り良さそうに振舞っていれば信用するかも。
再びバイク屋選びの難しさに突きあたります。
ですが火の無いところに煙は立たないものです。「あそこは金策に困っているらしい」という噂とか、仕事の入る頻度、その際の商流と内容などを知る事が出来れば、概ね把握できるでしょう。業界の噂に耳を済ませるのも一つの手ですね。
勿論大前提では、自転車操業であっても、誠実なビジネスを回している店が大半だとは思います。個人店に多いかもしれませんが、そうしたお店に期待する「個店ならではの個性」が無くなっては、バイク趣味の大きな魅力が失われます。
ではどのようにして見極めるのか?
一般論ですが、
要注意物件と看做して接するべきでしょうね。
「貧すれば鈍する」。肝心の本業も一層おろそかになっている事でしょう。
閑話休題、以降、S1000RR裁判の経緯報告、続けます。