S1000RR裁判最終回。和解調書H28年11月30日
和解調停。
和解が成立しました。
これで、双方恨みっこなしよ、ということ。
裁判に縺れ込むと云うことは、法の下行う大人の喧嘩なわけですが、
喧嘩の勝ち負けを判決に委ねるのか、和解という法の下の握手で、矛を収めるのか、
その選択もできるわけで。
我々は、和解をしました。
内容は以下の通り。
和解成立。
和解条項は、前のエントリーの通り。裁判所の和解案に沿いました。
心情的には、解釈としては、釈然としませんが、
そこに内包する事実は別として、「現象」としては正しいと言えますので、承諾しました。
もう面倒くさいです。
と云うことで、結論としては当たり前ですが、大人の喧嘩は金銭で解決がされたわけです。
めでたしめでたし。
と成れば良かったのですけど。
A氏は、和解の翌日その舌の根も乾かぬうちに例のブログで、曰く「ネガティブキャンペーン」を始めたわけです。
ご本人は「それなりの決着もついた」とご納得のようなのですが、
納得したのなら、なんでこんな記事を上げたのか。
因みに「認められた事実を時系列順」に書いたと仰ってますが、違いますね。
A氏が証言したのは事実ですが、内容は裁判で事実認定されたものではありません。
証人は、一人も現れませんでしたし。
和解条項に上記を記載することを、双方が認めたに過ぎません。
それにしても店主は、どうして和解の直後に、ストレスをぶちまけるような行動を起こしたのでしょうか。
「決着がついた」と仰るのに。
後になり気付きました。
若しかしたらA氏の狙い通りの結果ではなかったから?
金?
金が儲からなかったから?
以下、蛇足です。
当裁判内容とは関連しませんし、
こちらをご覧になるバイク好きの皆さまが、今後末永くバイクライフを楽しむ上で考慮頂きたい「バイク屋さんとの付き合い方」に影響するものでもありません。
完全なる蛇足では有りますが、ご興味あればご一読を。
ーーー
A氏は、あくまでも金銭の獲得を目的に裁判を起こしました。
ブログ記事の削除や謝罪は最後まで要求して来なかったことからも断定できます。
では、その目的は達成されたのか?
収支をシミュレーションしてみました。
(以下は実際とは異なります。あくまでも日弁連の規定に基づくものであり、例えば私のような個人的関係による規定外の料金設定もありえます)
A氏からの請求はこうでした。
―――
・被告(私)は金66万3190円+印紙代7000円=67万0190円を払え。
・内訳
11万3190円(工賃残額)+年6分の金利
30万円(当時の私のブログによる社会的信用低下の損害賠償)
20万円(名誉感情を害された慰謝料)
弁護士費用(上記50万の10%)+55万に対する年5分の金利
これに加え、訴訟費用も払え
―――
損害賠償の算定根拠などは別として、金額は67万でした。
これに対し、A氏のP/Lはどうだったのか。
あくまでも以下は推測となります。
先ず収入です。
11万3190円は、無事回収できました。
これは良いとして、年6分の金利については半減され、13,890円の遅延金となりました。
以上。
2年にわたる請求書送付の郵税はカバーできたでしょうか。
その手間賃まで含めると微妙なところでしょうか。
続いて支出。
先ず、弁護士の着手金。
108,000円(税込)。
これは、日弁連が定める(旧)弁護士報酬基準の、民事訴訟の着手金の最低額。
着手金とは別に出廷日当として1回当たり5,400円(税込)
合計で10回程の期日がありましたので54,000円程度でしょう。
その他、交通費や、訴訟資料のコピー代、郵送代等の実費については別途負担となります。印紙代もかかりますね。
これで162,000円。既に赤字です。
更に、和解成立の報酬が発生します。
では、その弁護士の報酬額はどれくらいでしょうか。
私からの反訴を取り下げたので、これが算定根拠となります。
反訴内容はこうでした。
ーーーーー
・被告(A氏)は117万を払え
・内訳
約50万円(エンジン修理代の一部+遅延金)
約11万円(過去別件のA氏によるあきらかな修理ミスで生じた費用)
約50万円(数年にわたる請求書の送付や訴訟などに依る精神的苦痛への慰謝料)
これに加え、訴訟費用も払え
ーーー
弁護士の働きにより、1,170,000円を払わずに済んだ、となります。
旧日弁連規定の報酬標準に従うと、放棄させた額の16%が報酬となります。
その計算だと、187,200円が弁護士報酬です。
着手金、日当と合わせ、349,200円もの支出となります。
回収した残金分を引いても、当裁判におけるA氏のP/Lは、
-222,200円の赤字です。
赤字!
(手間を考慮すると16%の報酬では済まないかもとの見立てもあります)
一方私のP/Lはと言うと…。
一切の請求を放棄したので収入は有りません。
支出のみです。
弁護士費用は、
原告側からの慰謝料+弁護士費用部分の55万円の請求が放棄となりますので、当該金額の16%、88,000円が報酬となります。
これに、着手金、日当を加え約250,000円。
A氏に支払った作業費用残金+遅延金の127,000円を加えると…。
被告となったことによる収支は、-377,000円となりました。
これを安いとみるか高いとみるかは個々の判断基準ですが…。
「Aモーターサイクルと関わったばかりに最後まで高くついた」
という印象です…。
死んだ母親からいつも「安物買いの銭失い」と怒られてましたが、またか、と。
ごめんよ母ちゃん。
閑話休題。
訴えを起こしたA氏は、裁判という手段に訴えたばかりに、
新たに最低でも22万円の支出が発生しました。
あくまでもシミュレーションの金額ですが。
儲ける心算だったのに損した!
これに憤懣やるかたなく、腹いせとしてあの記事を上げたのでは?
そう思わざるを得ないのでした。
蛇足、以上でした。
ーーー
最後になりました。
これまで、長々と裁判の過程を明らかにしてまいりました。
如何でしたでしょうか。
人さまに訴えられるなど、普通の社会人にとっては恥以外の何物でもありません。
それをこのように公開するなど、恥の上塗りと自覚しております。
今後どこかでお会いするであろう未だ見ぬバイク仲間の皆さんからは「元被告」との目で見られるのでしょう。
それを覚悟のうえで、こうして裁判の過程を詳らかにしたのは、当ブログの目的にも書きましたが、
私のようなキャリアの浅い普通のバイク乗り、ホビーレーサーの方々が、私と同じ轍を踏まない為の人柱に成るのであれば、勉強代にも意義が生じます。そう考えれば安いもの。死に金ではなくなります。
つまり、短期的に失うものはあれど、長期的には得るものの方が大きかろう。という思いからです。
そして裁判で協力してくださった、A店主の元顧客や、他店の関係者、プロライダーの皆さん、そして私の友人達に貼られた、ネガティブなレッテルを剥がしたい。という意志からでもあります。
あとは、僅かではありますが、A氏が「オイルロック」などという間違った俄かの知識を改め、サスのOHなどの分不相応なカスタムからは手を引き、真にユーザーサイドに立ったバイク屋さんになる為の切っ掛けになれば、という一縷の望みも持っております。
A氏は、不器用かもしれませんし謝ることも知らないしミスを認めたがらない難しい性格でもあるかもしれません。
ですが、大なり小なり、同じような気質は誰にだってあります。
「人間だもの」
短い間ですが大変世話になったA店主のことは、
とても人間らしい方だと思っていますよ。
以上、2カ月以上に渡るお付き合い、誠に有難うございました。m(__)m
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以前お約束した通り、最後までお読みいただいた奇特な方が、ご意見感想などを表明する場として、この記事にのみコメント欄をつけたかったのですが、やり方が分かりませんでした。
よって、取り急ぎ以下にコメント欄をご用意いたしました。
宜しければ交流の場としてお使いください。