Tさん証人尋問H28年10月12日
口頭弁論の議事録、公開します。
順番は、こちらで示した通り、エンジンを直してくださったTメカニックからとなります。
TさんはS1000RRのエンジン焼き付きについては複数の経験をお持ちです。
先ず、尋問に先立って、宣誓させられます。
証言台に立つ3人が並んで裁判官の前に立ち、この文言を唱和しました。
偽証すれば罪に問われます。
A氏は、真実を述べてくれるでしょうか。
では、どうぞ。
墨塗りにAとかTとか追記するのを忘れましたが、文脈から推察ください。
要点はマーカーを引きました。
オレンジのマーカーは、私こと被告弁護人。
青はTメカニック。
ピンクはA氏の、原告側弁護人。
それぞれの発言となります。
A氏が「無資格営業」「信用できない」「独善的で自己流の解釈を垂れがちである」と罵ったTメカですが、
認証や資格の証拠提出が有りました。
ベテランを捕まえて、貶めて、A氏は恥ずかしくないのでしょうか。
因みに、Tメカに対する詫びは最後までありませんでした。
エンジンの焼き付きの程度と、いつから、何故それが起きたのかの考察です。
・走行開始時(動画を見て)から異音がしていたこと。
・走行開始後間もなく停止したこと。
・エンジンを開けての焼き付きの程度を検証したこと。
これらから総合的に判断し、
・21日、私がA氏に車両をあづけた時から既に軽い焼き付きを起こしていたに違いない
と結論付けています。
続いてA氏が言う「オイルロック」について。
A氏は、
・エンジン不動は「オイルロックのせいであった」と主張し、
・オイルを清掃したから問題ない、仮にエンジンに不具合が有ったとしても、2日では原因の究明も修理も出来ない
・ナンバーもラジエータファンも付いていない車両だから試走も出来ない。チェックできないのは当然
・しかも、被告に修理を頼まれても居ない。そう主張しています。
それに対し、
・仮に「オイルロック」が有ったなら、原因究明は必須
・それをせずライダーに乗せるなどあり得ない
・原因究明には2日あれば十分
・ナンバーが無くても送風機で風当てればエンジン回せる
そのように、ある意味当たり前のことを証言して下さいました。
焼き付きを発見していたら修理費用が変わったか、という話しです。それは、変わりますね。
因みに、S1000RRのクランクは、私が友人から別途購入したので、裁判で提示した修理費用には含まれていません。新品だと確か25万近くでしたか。
ここから、ピンクのA氏弁護士からの質問に移ります。
・ 焼き付きの確認、確定に何時間かかるのか
・エンジンが掛らない状態で分解以外他に方法が有るのか
・抜いたオイル等で、確認できるのか
こうしたところを突いてきています。
つまり、
・外観からでは焼き付きは判断できない
・電装が回復してからの残り時間では、所要時間を考えても分解での確認は不可能
こう言いたいがための誘導でしょうか。
残念ながら失敗に終わりましたが、A氏だと、分解に3倍くらいの時間が掛る見積りをしていたのかもしれません。
それであれば、「2日間で不可能じゃないか」という自説に誘導することが可能でしたが、
ここで終わったので諦めたのでしょうか。
続いて、オイルロックへの対応。
どうだったら、原因不明なまま、客に車両を渡すか、渡さないのか。
これは、Tメカの対応の誠実さが際立っただけの質問に思えました。
誘導失敗でしょうか。
軽い焼き付きと、完全な焼き付きとの 修理コストの差について。
何十万単位で異なるというTメカに対し、
それでは軽い焼き付きだと50万がタダ同然になるということか、それは辻褄が合わない、
との誘導をします。
A氏の弁護士にとっては、50万-数10万=「ほぼ、お金掛んない」くらいの金額、という金銭感覚なのでしょうか。これも意図が分かりませんでした。
続いてオイルロック問題。
A氏の陳述で露呈した矛盾点であった、
・オイルロックが原因での転倒
↓
・走行中のオイルロックは自分も聞いたことが無い
という主張の変遷に関わる部分でしょうか。
Tメカは、「オイルロックが起きた」というA氏の主張を、それが事実とするならどのようにしたら再現できるか、考えてくれています。
ですが、転倒センサーが付いている車両で、転倒後横倒しになったままエンジンが回り続け、オイルが逆流し、燃焼室内に溜まる、
ということは、そう考えられるものではありません。
もし走行中なら、オイルロックはピストン、バルブ等に重大な爪痕を残していた筈ですから、「ふき取って清掃」で直るわけがない。
故に、本当にオイルロック(があったとするなら)その理由を聞きたい。そう仰っています。
ここでも、A氏代理人が話しを何処に持っていきたいのか、分かりませんでした。
異音の件です。
・私のスキルなら、異音が有れば気付くはずだ。
・気付かなかったから走り続けた
・つまり異常が無かったからだ
または、
・気付かなかったのは自業自得だ
こう言いたいのでしょうか。
こうして口頭弁論を振り返っても、A氏側の主張の落とし所が見えませんでした。
あるとすれば、
・焼き付きを見逃したのはやむを得ない事
・異音が有ったなら本人が気付く筈だから異音は無かった
この2点でしょうか。
最後に裁判官から、「オイルロック=重大なエンジントラブル」なのか?
という確認質問が有りました。
適切ですね。
ふう。
以上でTメカの証人尋問は終わりです。
続きます。次は、A氏、登壇・・・。